加齢黄斑変性についてのQ&A
症状について
Q |
加齢黄斑変性はどのような人に多いのですか? |
加齢にともなって起きる病気ですので高齢者に多く、特に60歳以上に多くみられます。75歳以上の約30%の人が黄斑変性症にかかっており、5年以内に残りの23%の人が発病するとされています。また男性に多く、男性は女性の約3倍の頻度でみられます。約20%には両眼性に発症します。アメリカでの研究では喫煙者に多いことも報告されています。 |
検査について
Q |
加齢黄斑変性はどのような検査をしますか? |
主に以下の検査をします。 眼底検査 検査の前に目薬をさして瞳孔を開き、眼底に強い光をあてて網膜の状態を詳しく調べます。 蛍光眼底検査 腕の静脈に蛍光色素を注射してから眼底を調べます。蛍光色素によって血管だけが浮き彫りになりますから、血管の弱い部分やつまったところ、新生血管がよくわかります。 網膜断層検査 光干渉断層計を使用し、網膜の断面を詳しく調べます。 |
治療法について
Q |
加齢黄斑変性は治療によって治りますか? |
黄斑変性症は、原因が様々なので特定することが困難とされています。したがって、黄斑変性症の決定的な治療法は確立されていないのが現状です。 |
Q |
主な治療法を教えて下さい。 |
レーザー光凝固術 レーザー光で新生血管を焼き固める方法。新生血管が黄斑部の中心から外れていた場合、第一選択となる治療法です。 光線力学療法(PDT) 日本では平成16年5月に認可された新しい治療法です。光感受性物質のベルテポルフィリン®(ビスダイン)という緑色の色素を静脈に注射しますと、ビスダインは新生血管に集まり光に反応します。そこへレーザーを約1分半照射すると、薬が化学変化を起こし活性酸素が発生して、その働きで血管の壁が傷んで閉塞し、その異常血管からの出血が止まるというものです。 正常の網膜や脈絡膜には悪影響をあまり与えずに病気を抑えることが可能です。初回は入院が必要で、治療は1回で効くとは限りません。全く治るというわけには行きませんが、進行が止まって初診時の視力を維持することには十分に可能です。 抗VEGF療法 脈絡膜新生血管の成長を活性化するVEGFという物質の働きを抑える薬物を眼内に注射することにより、新生血管の増殖や成長を抑制したり進行をゆるめる治療法です。「ルセンティス」や「アイリーア」などの薬剤が発売されており、視力の維持や改善に良好な成績をあげています。 |
その他
Q |
加齢黄斑変性の原因“新生血管”とは何ですか? |
黄斑変性症は、萎縮型と滲出型に分けられます。“萎縮型”の黄斑変性症の特徴は、黄斑部の細胞が老化して萎縮することにより発生します。症状の進行は比較的遅いのが特徴です。 一方、“滲出型”の黄斑変性症は、進行が急速に進みます。黄斑部の老廃物が網膜色素上皮の下に蓄積すると、毛細血管の血流が阻害され、新生血管という新しい血管ができます。 そしてこの新生血管が網膜組織に無数に伸びて行きます。この新生血管は壁が薄いため非常にもろく、すぐに破れて出血してしまいます。“滲出型”の黄斑変性症は急速に進行が進むため、処置が遅れると失明の危険性が高まります。 |
Q |
自分でできる加齢黄斑変性の早期発見のチェック方法はありますか? |
人間は両方の目を絶えず使っているので、一方の目の異常が起きても気が付かず、なにかの拍子に片目を閉じて、異常に気がつくことがあります。この異常を早く見つけるには、毎日、片目ずつで細かいものを見る習慣をつける(メガネをかけている人は、装着したまま見てください。)のが一番簡単で、確実な方法です。字が読みにくい、見る中心が暗くなるといった症状に気をつけて下さい。得に細かい線が歪んで見えるという症状には注意して下さい。 |