花粉症についてのQ&A
原因・症状について
Q |
どうして花粉でアレルギーが起こるのですか? |
細菌などの異物(抗原)が侵入すると、人間の体ではそれを無害にするための「免疫反応」が起きます。この反応は自分の体を守るために必要な、正常な反応です。しかし、特別な抗原で刺激されたり、何度も同じもので刺激されたり、刺激に敏感な体質だったりすると、反応が強く出すぎてしまう場合があります。大まかには、この過剰反応が『アレルギー』と考えられています。花粉は、この過剰反応を起こしやすい特別な抗原の代表例です。その他の抗原としてはハウスダスト、ダニなどがあり、一年中何かしらの抗原が身の回りにあると考えられます。 |
Q |
アレルギー症状はどのように起こるのですか? |
目の粘膜には、抗原の侵入に刺激されていろいろな物質(ヒスタミンなど)を放出する細胞が存在します。その物質は、血管を広げて血流を増やしたり、涙の量を増やしたり、かゆみを起こしたりする作用をもっています。アレルギーではこうした物質がたくさん放出されるため、目がかゆくなる、涙が出る、目が充血するといった症状が起きます。この症状をアレルギー性結膜炎といいます。 |
治療について
Q |
花粉症の診断方法は? |
受診時には、本当に花粉症なのか、そうであれば、そのアレルゲンは何かを調べ、花粉症の原因をさぐります。診断方法にはいくつかの種類があります。 •皮膚反応検査 皮膚にスギ、ダニ、ヨモギ、イネなど原因と考えられるアレルゲンのエキスで刺激し、その反応をみます。15分ほどで反応が出て、皮膚が赤く大きくはれれば、それがアレルゲンとわかります。 •血中IgE検査 血液検査で原因となるアレルゲンに対する抗体を明らかにします。 •鼻粘膜誘発テスト 原因抗原を鼻の粘膜につけるとくしゃみ、鼻みず、鼻づまりの反応がでます。 ※尚、上記検査方法は一般的な検査方法で、医療法人社団 海仁の各施設では基本的に実施しておりません。 |
Q |
アレルギーを抑えるのにどのような薬を使うのですか? |
抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬による治療が主流で、ヒスタミンの遊離や働きを抑えて、アレルギー症状が出るのを抑えます。花粉が飛散する時期の2週間くらい前から点眼を始めるとより効果的です。症状が出てしまったら、冷たいタオルなどを眼にあてて冷やすと、症状が軽くなります。ステロイド薬は抗アレルギー作用や消炎作用が強く、充血やかゆみなどを抑える効果も高い薬です。副作用が現れやすいので、強い症状のある時だけ、十分に注意をしながら使う必要があります。また、アレルゲンのエキスを注射して、花粉に対する免疫をつくる減感作治療法など、体質改善をはかる長期的治療法もあります。 |
Q |
花粉症を完全に治す治療法はありますか? |
減感作療法以外に現在、花粉症を完全に治す治療法はありません。花粉症などのアレルギーは、過敏性によって起こる病気で、症状が悪化してからでは薬が効きづらくなります。できるだけ、症状が軽いうちから薬を使い始めると高い効果が期待できます。そのため、『初期療法』が重要視されています。 |
Q |
症状が軽くなったら、薬を飲まなくて大丈夫ですか? |
花粉症の症状は花粉の飛散量によって変わります。 雨が降ると花粉は飛ばない為、その日の症状は楽になりますが、ここで薬の服用を勝手にやめると、次の大量飛散時にいっきに症状が悪化することがあります。 毎日規則正しい生活と服薬を心がけてください。 なお、服薬は花粉飛散後期になり、花粉飛散量が減ったら減量することができます。 |
その他
Q |
花粉の飛散が多い時間帯などはありますか? |
一日の中で一番花粉が多く飛散するのは日中12時半頃で、その次に夕方の6時前後が多くなります。また、雨の日の翌日は、花粉の飛散量が少ないのでは?と思われるかもしれませんが、雨で落ちた花粉が乾いて再び飛散するので、飛散する量はかえって多くなるといえるので気をつけましょう。 |
Q |
花粉症の対策は? |
アレルギーは、原因となる花粉などの抗原が目の粘膜に触れることによって起こります。したがって、できるだけ抗原に触れないようにし、触れてしまったら洗い流すことで、症状を和らげることができます。 抗原と触れないようにするための道具として、ゴーグル型の保護メガネがあります。これは目の周囲まですっぽりおおい、抗原の侵入を防ぎます。鼻からの抗原の侵入を防ぐためにマスクを併用すると、より効果的です。また、涙に似た成分の人工涙液で目を洗う方法もあります。この場合は、目の周囲の皮膚に触れた液が目に流れ込んだりしないように注意して、目だけを洗いましょう。このメガネや眼洗浄の方法については医師にご相談ください。 |
Q |
部屋のなかの抗原にも気を配る必要があるのですか? |
室内のカーペット、カーテン、ぬいぐるみなどは、できるだけ減らすことが望ましいでしょう。また、外に干した布団や洗濯物、外出したときの衣類には、花粉などが付着しています。したがって、布団や洗濯物は外に干さない、帰宅時には入室前に衣類をよくはらって付着物を落とすなどの注意が必要です。外出時には、モヘアのセーターなどは避け、ウインドブレイカーなどの表面がつるつるしている素材を着ると花粉がつきにくくなります。 |
Q |
その他に注意することはなんですか? |
疲労やストレスもアレルギー症状を引き起こしたり、症状を重くすることが知られています。規則正しい生活を心がけましょう。 |